【体験記】転職を決意した理由とその背景

 1. はじめに

 はじめまして、私は精神科病棟で働く、中堅看護師、瀬名ゆいです。看護師は離職率が高く職務の幅は幅広く、担当する科によっても悩みが変わってくると思います。私の経験したのは、療養型の精神科と急性期一般内科でした。2度退職をし、現在は慢性期精神科病棟で働いています。ここには私の体験談を交えて書き記そうと思います。すこしでも、今転職を検討している看護師が共感してもらえたり、転職の参考になればいいなと思っています。

2.転職を考え始めたきっかけ

 はじめは、少しずつの小さな不満から始まります。急性期内科では看護展開が早く入退院が多く、残業が多い。コロナや感染症の対応。辞めていく他スタッフたちと、増える業務量。精神科であれば、患者からの暴言や暴力もありました。そういった少しずつの不満が積み重なりました。

 転職を真剣に考えるようになったきっかけは、2回あります。

 1度目は、上司に業務改善を訴えるスタッフは全員別病棟に移動させられ信用をできるスタッフがいなくなったこと。事の発端は、上司が主任から師長に昇進したこと。スタッフ本人は移動の希望を出していないのにもかかわらず、半年以上の時間をかけてスタッフたちが別病棟へ移動していきました。尊敬しているスタッフも移動させられてしまい、信頼できるスタッフが減り、病棟全体の風通しが悪くなってしまいました。

 2度目は食事をしても連日吐いてしまう。急性期の忙しさに耐えかね、身体的な不調が出るようになりました。休日は1日中吐き続けてしまい、ベッドから動けないような日が続いたこと。ストレスからか、吐いてしまい、同僚にも「1年前からずっと調子悪そうだった」と心療内科をすすめられました。しんどい時はなかなか自分では気が付けないものですね。

私が転職を決めたきっかけは人それぞれですし、きっかけになりうるのものも、精神的身体的どちらもあり得ます。辞めたい理由をまとめた記事もあるので、もしかしたら皆さんに当てはまるものもあるかもしれません。

3. 就職〜現在までの転職プロセス

私は新卒1年目で精神科病棟への配属が決まりました。もともと他の科を希望していたのですが、「この病棟であれば看護技術も学べるから」とすすめられ精神科勤務になりました。

精神科ならでは、入院歴20年の患者もいたりします。患者さんとのかかわり方の見直しや患者さんを人間を大切にするという視点を養えると思います。

ゆっくりとした看護でスタッフにもとても恵まれた環境でした。仕事ができるスタッフや、同期も複数人いて、プリセプターなどの新人教育に関して制度も取り入れられていました。急変などは流石に少なかったのですが、気切や吸引などの患者もいましたし、胃瘻やバルーン、ストマなど日常生活援助で必要な学びをゆっくりとできたのではないかと思います。

先述した通り、辞めた理由は上司が変わった事、それにより信用できるスタッフが移動してしまったことが退職の理由です。同期も私的な都合で退職し、人事異動も相まって、業務改善を訴えるスタッフがいなくなったことがきっかけです。それに加えて、「慢性期の精神科」という点に不安を覚えたこともあります。

看護師のスキルアップとまではいかなくても、必要最低限のことを一般科で学んでいないことに不安もありました。

内科に転職してからは、覚悟はしていたものの、看護展開の速さと業務量の多さにびっくりしました。ただ、患者さんの病状が軽快して退院までにかかわれるのが、本当に良い点です。

治療がうまくすすめば、患者さん本人が元いた生活へ戻ることができる。笑顔でさよならをすることだってできます。

もちろん、うまく治療が進まず、苦しむ姿を見たり、他界される場合もあります。

そんな治療の最先端にいるわけですから、やらなければならないこと、やったほうがよいことの分別をして、患者さんごとの仕事の優先度を決めることが以前よりもできるようになりました。

生死に関する職業ですから、責任感の重さは非常に重たく、優先順位をつけて仕事を迅速にできることはよいことですが、その重たい選択を常日頃やり続けるのはかなりのストレスになります。

そういった日々が続き、体調を私自身が崩してしまいました。きっと、自分のペースを保てる人が急性期でも長続きできるのだろうなと思います。

そうして、精神科へと戻ってきました。再度精神科に戻りましたが、いまではかなりゆっくりと仕事を行っています。

もちろん、患者は絶対に死なないわけではないけれども、優先順位を決めなければと、一刻を争う自体もなく仕事をしています。

定時には帰れるし自分の時間を作れるようになりました。夜勤もある病棟勤務ですが、仮眠時間もしっかり取れるし、クリニックや他の施設だと心配だなぁと思う給与面も問題ありません。

4.終わりに

私が新卒で入職した際、配属になったのは精神科でした。ですので、精神科→内科→精神科と転職を繰り返しています。

精神科は他の科と比べると嫌厭されがちな診療科です。ですが、働くと割り切ったとき、皆さんが想像しているよりも働きやすい病棟でもあります。

転職の際には、視野を広げる意味も兼ねて、検討してみてもいいかもしれません。みなさんのより良い転職活動の一助になれたら嬉しいなと思います。

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